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貴方がリーダー!

根性 リーダースキル

2018/03/17 貴方がリーダー!

【カウンセリングは技術】

「~で悩んでいます。どうすればいいですか」カウンセラーとしてお話しをお聞きしていると、よくこんなことを言われます。長生きをしていて人生経験が豊富で計算高い人なら、「~すればいい」のひと言で片がつくでしょう。そうすれば、本当に事態を打開できるかもしれません。

 

しかしカウンセラーは「~すればいい」とは言いません。カウンセラーはアドバイザーではないからです。カウンセラーとアドバイザーは違うんです。どう違うのかというと・・・・・・。

 

根性 リーダースキル

 

・アドバイザー
ある事に関する経験や知識が豊富で、それに関する解決策を求められた時に、適切な方法や知識を提供する人。
・カウンセラー
悩みに対して、目標と、目標達成の方法をクライアント本人に考えさせる人。

 

いろんな定義はあると思いますが、このように分けることも可能です。実例をあげると、「~で悩んでいます。どうすればいいですか」という質問を受けた時に、カウンセラーであれば、一例ですが「どうなりたいと思いますか」とまず本人自身に考えさせます。

 

カウンセラーは基本的には答えは与えません。極端な話をすると、「仕事が辛い」という悩みに対して「どうなりたいですか」と問いかけ「仕事を辞めたい」と答えたとします。そして〝本人が自分で決めて納得しているのであれば〟「ホームレスになる」という結果もカウンセリングとしてはアリです。

 

つまりどんなに人生経験がなくても、聴き出す力や心理学的な知識がちょこっとあれば、誰にでもカウンセリングはできるということです。人生経験や知識というのは、かえって邪魔になってしまうかもしれません。さて、これがカウンセリングとアドバイザーの違いなのですが、リーダースキルとして必要なのはどちらでしょうか。

 



 

【コーチングとティーチング】

根性 リーダースキル

前の章で話したアドバイザーとカウンセラーの違いを職場に当てはめてみると、アドバイザーがティーチングで、カウンセラーがコーチングということになるかもしれません。つまりコーチングは相手に自分で考えさせて答えを出させるのに対し、ティーチングはこちらから相手に答えを与えるわけです。

 

もしも職場でリーダーを任されたら、部下に対するコーチングやティーチングの技術が求められるかもしれません。リーダースキルとして用いるべきなのは、コーチングとティーチングのどちらなのかをケース別に考えてみたいと思います。

 

根性 リーダースキル

 

ケース1
「仕事について知識がゼロの新入社員から、仕事のやり方について聴かれた場合」この場合はどう対応するのがいいでしょうか。知識というのは考えて出てくるものではありません。りんごを英語では「Apple」というのは知識ですね。これを知るためには、何かから教わるか、もしくは自分でアメリカに行って現地で生活をしてみるかしなくてはなりません。

 

考えてみてわかることではないです。だからこの場合は「ティーチング」です。よく職人の世界では、「見て盗め」という言葉がありますが、これは「コーチング」に当たると考えられます。しかし100パーセント見て盗ませるためには恐ろしい時間が必要となってくるでしょう。そして、見て盗んだ結果が正しいかどうかを確認する機会を設けなくてはいけません。もしここまで出来れば、見て盗んだ人の技術は本物でしょう。しかし組織として、迅速にいい仕事をこなしていかなくてはならないのであれば、これでは対応できません。最低限の知識や技術はティーチングで対応する必要があります。

 

ケース2
「新入社員研修を終えた部下から仕事のやり方について訊かれた場合」研修を終えているということは、基礎的な知識があるということです。なので、その基礎的な知識を応用することで仕事のやり方も答えが見つけられるかもしれません。そして「応用」は「考えて」できることです。ですので、ここでは「コーチング」が適切だと思われます。

 

根性 リーダースキル

 

コーチングのメリットは、2つあります。
1つ目は、考える力を養うことができる、ということ。2つ目は、自分で考えることで、知識を復習して身につけさせることができる、ということ。ただし、自分で答えを見つけさせるので時間がかかるし、答えが正しいかどうかを評価をする必要があります。この2つのデメリットが解消できれば、コーチングを用いた方が今後のためになるでしょう。

 

ケース3
「戦場で、戦闘経験のある部下が、敵襲の対応に困惑している」戦闘経験があるので、質問して考えさせて、自ら答えを見つけて行動させることが可能です。しかし現場は戦場です。前の章で説明した通り、コーチングには時間がかかるので、敵襲という緊急事態においては向きません。なので、この場面ではティーチングです。しかも単に教えるのではなく、部下に自信を持って行動できるような強烈なティーチングが必要です。

 

本来サポートをするのは現場でのリーダーの仕事ではないのですが、このような場合にはリーダーがその責務を負うことが必要になってきます。このように、リーダースキルとして、コーチングとティーチングの両方を持ち、使い分ける必要があるということです。

 



 

【士気を高揚させるためには】

根性 リーダースキル

 

有名な企業で「鬼十則」とよばれるものがあります。その中にひとつに、取組んだら放すな。殺されても放すな。目的を完遂するまでは」言ってみれば根性論です。しかし根性論というのはとてつもなく効率の悪いものです。「根性が必要」であることと「根性だけで解決できる」と思い込むことは違います。実際は「根性も必要だが、それだけでは問題は解決しない」です。

 

努力や根性というのは、それを信奉している人からすると、かなり甘い罠になりえます。なぜなら、努力や根性というのは、人に満足感をもたらすことがあるからです。本当に必要なのは努力や根性ではなく、結果です。逆に言えば結果が得られれば必ずしも努力や根性は必要ないということです。

 

そして甘い罠というのは、努力や根性で満足してしまうので、結果が出なくても高い自己評価をしてその後も結果を出さない仕事をしてしまったり、さらには周りまでも、努力や根性を讃えて結果を度外視してしまったりすることです。こうなると職場というのは非効率になってしまい、残業代のてんこ盛りと少ない成果しかないような状態になってしまいます。

 

根性 リーダースキル

 

しかも努力や根性というのは、行き過ぎると病気や死亡の原因にもなりかねません。鬼十則で有名な会社はそれで裁判にまでなりましたね。例に挙げた「取組んだら放すな。殺されても放すな。目的を完遂するまでは」ですが、ではリーダースキルとしてこれをみるとどうなるでしょうか。

 

具体的に、ある製品を1ヶ月で30万個作る、というのをここで言う「目的の完遂」として考えてみたいと思います。根性論で解決しようと思うなら、朝から晩まで休憩を取らずに頑張れ、ということにもなるかもしれません。かし、もしリーダーの立場にある人が、これを部下に命じたとしたら、いろいろと問題が発生します。まず長時間労働のせいで部下が倒れるという可能性です。これは鬼十則の例を見ても明らかです。そして倒れなくても、疲れた体と心ではミスも出やすいし、残業代という経費がついてしまいます。非常に非効率です。ここでリーダースキルが求められます。

 



【責任を持たせるという責任】

根性 リーダースキル

リーダーは仕事の割り振りをする時に、必ず意見を聞かなくてはいけません。まずリーダーがすべきことは、「製品を1ヶ月で30万個作る」という目標の提示です。「やれ!」「できません」「根性を出せ!」これでは話になりません。リーダースキルとしてここ発揮するべきことは、怖気付いている社員に、なぜ「できない」と思っているのか、その理由を聞くことです。そして、その理由は個人レベルで解決できることなのか、それともそうでないのかを検討させることです。

 

もし個人レベルでは無理なら、何かしらのサポートをしなくてはいけません。そしてそのサポートをマネジャーに伝えたりします。そうやって調整をしていくと、役割の配分などが決まってきます。最後に必要なのは、納得ずくで仕事の計画を決めた後に、メンバーを信頼することです。「決して失敗するな。失敗したらクビだ」などのように恐怖で縛るのでは緊張が生まれ、自由な行動ができなくなります。そればかりか、メンバーとリーダーの間に壁が生まれて、職場で必要とされている「報連相」がうまくいかないことさえありえます。リーダースキルとしてもっとも重要なのは、この「信頼」かもしれません。

【階級は何のためにあるのか】

十八世紀に、ある皇太子が、作戦に失敗した少佐を呼び出して問い詰めました。「なぜ作戦に失敗したのか」それに対して少佐はこう答えたそうです。「命令通りに行動しました」質問といくらかずれているような気もしますが、要は、命令通りに動いて失敗したのだから、自分は悪くない、失敗したのは命令を下した人間だ、と言いたかったのかもしれません。

 

しかしそんな少佐の答えに、皇太子は強く叱りつけたそうです。「命令通りのことしか出来ないなら、きみは少佐である必要はない。兵卒で充分だ」つまり階級というのは、命令違反をするために与えられるものだという側面があるようです。目的があって、命令通りではそれが成し遂げられない場合は、命令違反をする責任と権利が階級にはあるのだということのようです。

 

根性 リーダースキル

 

それを踏まえると、現場で責任者を任命する時、リーダーは何を考えなくてはいけないでしょうか。それは、命令を遂行するのに必要な人材や物資や資金、そして権限を責任者に与えるということです。さらに失敗を許すということです。

命令に背いて罰せられるとしたら、それを恐れて命令通りのことしかできなくなります。

 

目的の完遂のためなら命令違反を許し、失敗しても咎めない、という環境を与えて、はじめて責任者はその責任を背負うことが出来るわけです。

 

失敗を許すというのは、大目に見るということではありません。失敗をした場合は、ではどうすればその失敗を挽回できるのかを「共に」考えるということです。つまり、寛大さとコミュニケーションの力が必要になってくるわけです。

 

根性 リーダースキル

 

時として、できないことに責任を持たせ、できなかった時に叱責してしまうことがありますが、その時に根性という「言い訳」が使われがちなような気がします。リーダーはいつでも「余裕」を持っていなくてはいけません。心の中では窮地だと感じていても、少なくとも表面上は余裕を持って微笑んでいるくらいが丁度いいのかもしれません。ちなみにリーダーの立場にあるからと言って、必ずしもリーダースキルを持っているとは限りません。命令しかしない単なる独裁者である可能せせいもあります。

 



【根性は最後の手段】

根性 リーダースキル

はじめの段階で根性という言葉を出すのは下策といえます。非効率だからです。まずはナチュラルにやり遂げるためにはどうすればいいのか、を考えることが必要です。そして信頼関係の元に仕事を進め、最後の最後、どうしようもなくなった時に初めて「根性」という言葉は生きるかもしれません。もちろん、「根性」という言葉を使わなくて済むならそれには越したことがありません。

 

そして、その「根性」という言葉にも使い方があります。それは命令しないということです。「根性を出せ!」ではなく、「みんなの根性に助けられている。もう少しだ!」というように、あくまで信頼を基礎として「根性」という言葉も使います。

 

 

リーダスキルについて話してきましたが、まとめると、

 

・コーチングとティーチングを使い分ける。
・何かしらの指示を出す時は、納得のいく検討を行うこと。
・責任を持たせる時は、その責任を果たすために必要な権利や物資などを与えること。
・人間を信頼すること。

 

根性 リーダースキル

 

おおまかにこの4つくらいに絞られるかもしれません。そしてリーダーというのは特別に優れた人だけがなれるのではなく、訓練しだいで誰にでもなることができるものです。もし、現在の職場で嫌な上司などがいたら、その上司は本当にリーダーとしてふさわしい人物なのか、リーダースキルを発揮できているかを見てみるのもいいかもしれません。もしそうでないなら、真っ向から意見をぶつけることで、改善もできるかもしれません。その時のリーダーは貴方です。リーダーとしてのスキルを存分に発揮してください。